やすたかのブログ

メガネレンズの事を詳しく説明します

「遠近両用メガネに慣れない」を徹底解明 その4

遠近両用メガネは慣れない、と言われる場合があります。確かにそうかもしれません。現に私の妻は50才過ぎから老眼が始まり遠近両用メガネを作るのですが、冗談ではありますが、「当店一のクレーマー」と言われるくらい遠近両用メガネがかけられない人でした(^0^) でも現在は遠近や中近と言ったいわゆる累進レンズメガネを1日中かけています。ここでは遠近両用メガネが慣れない人にどうすればかけられるようになるか、その辺を徹底的に解説していきたいと思います。長編になりそうです(^0^)

 

その1では店、人選び、2では度数決定、3ではレイアウトのお話をしました。今回はその4、レンズ選びです。

 

 

遠近両用レンズと一言で言っても日本だけでも100いや200種類以上あるのではないでしょうか。では良い遠近両用レンズとは何でしょう?

単焦点レンズの場合、価格はほぼ厚み、薄さに関係します。同じ度数でもレンズの圧縮率が違えば厚くも薄くもなります。日本では圧縮率が1.60のプラスティックレンズがもうスタンダードですね。設計も非球面。あっ、球面レンズと非球面レンズとでは非球面レンズの方が薄く、軽くなります。当店でも1.60非球面が標準レンズです。

遠近両用レンズの場合、圧縮率も大切ですが、それよりも大切なのは設計です。

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設計の違いによる見える範囲の違い

上の図の左右とでは見える範囲に違いがあります。これは同じ度数でも設計の違いだけでこれだけ差があることを示しています。またメーカーの違いによって設計思想が変わるのでぼやける範囲の納め方と言いますか処理の仕方が違うので微妙に変わってきます。

 

55才以下で全く遠近両用メガネを初めて選ぶ場合、ご予算に余裕のある方、少しでも楽なのが良い方は別ですが、基本、高付加価値レンズを選ぶことは不要だと思います。先ずはエントリータイプで試してみてもいいと思います。最近のエントリータイプでも性能は良くなってきています。

 

55才を超える方は正直ケース・バイ・ケースです。その方の遠用度数、使い方、見るクセなどを総合的に判断しないとエントリータイプでいいのか上のグレードの方がいいのか判断できません。

 

いずれにせよ私は接客中の笑い話にするのですが、一旦ハイグレードレンズを選ぶと後戻りはできませんよ、と言ってます。年齢を重ねると老眼は進みます。老眼が進むほど遠近両用レンズのぼやける範囲が広がるからです。前眼鏡と同じグレードのレンズを選んでも見える範囲が狭くなるのに、ましてグレードを落とすと更に見える範囲が狭くなり,使いづらくなるからです。

 

冒頭私の妻が一番のクレーマーと言っていましたが、メーカーからモニターレンズとしてそのメーカーの最高級遠近両用レンズを提供して頂いたとき、それはそれは驚いていました。あれだけ見づらかったのが「若かったときの自分の眼みたい」と驚嘆していました。それほど差があるのです。

 

これもまた接客中の笑い話ですが、最高級遠近両用レンズの購入を考えているお客様に私はこのレンズでダメだったら遠近両用はあきらめて下さい、と言っています。あくまで冗談ですよ。このレンズを選ばれた方で使えないといってこられた方はいませんから。

 

話がちょっとそれてしまいました。最高級遠近両用レンズはさておきエントリータイプからグレードの違いによる見え方の違いは店にあるテストレンズで確認して下さい。テストレンズはあくまでテストレンズで実際のメガネとは見え具合が違ってきますが、それでもグレードの違いによる見える範囲の違いは分かって頂けると思います。

 

レンズ選びは慎重にして下さい。